6月初旬に山間部の禅寺に赴き、八幡宮の宮司さんによる「古事記」を拝聴してきました。
神道と仏教の習合については、飛鳥時代の聖徳太子が中国から伝来した大乗仏教を積極的に
国内に取り入れ、地方の豪族や民衆の心を一つに纏め上げ、日本を統一するのに役立てたのが
その始まりでした。
同じ頃、外来からの文学や文化も入って来たことで、日本人の生活環境や精神性にも大きな
変化がもたらされました。
私の知るところでは、上記の仏教伝来の他に
〇 フランシスコ・ザビエルにより伝来したキリスト教
〇 徳川家康が幕府を絶対的なものにするために、孝悌忠信による父母への愛、
兄や目上の人に対する忠義心を養わせた儒教精神(四書五経・朱子学)
〇 幕末における儒教陽明学(知行合一)の影響を受けた明治維新の成立
〇 敗戦後、アメリカから渡ってきたデモクラシー思想
等の影響を受けて、日本人に根付いた精神性は融合型のものになったのだと思います。
参考ですが、日本人に「神様とは何か」と尋ねると、八百万の神々であったり、仏様であった
り、イエスキリストであったりと様々な答えが返ってくるのは、典型的な融合型精神の現れだと
思っています。
長い時を経ながら生まれてきた精神性と同じく、脈々と受け継がれる人の生命も授かった者の
重要な使命として、きちんと後世にバトンタッチしていきたいものです。
(S)